裁判員制度は、私たち国民が「裁判員」となって、裁判官とともに刑事事件を裁く制度です。
あなたも裁判員。裁判員の選任・職務・辞退など、どう対応すればいいのでしょうか。
裁判員制度。いよいよ2009年から裁判員制度が始まりますね。裁判員制度は、私たち国民が「裁判員」となって、裁判官とともに刑事事件を裁くという制度です。これまで、司法・立法・行政という国の三権のうち、司法への国民の直接の関わりは、最高裁判事の信任・不信任を問う国民審査ぐらいしかありませんでした。裁判員制度は、ある意味、画期的な制度といえます。
裁判員制度は、国民が刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民の信頼向上につなげることを目的に設けられました。
裁判員が参加する裁判は、原則として、死刑・無期の懲役・禁固などにあたる罪に関わる事件とされていますから、殺人・強盗致死傷・危険運転致死・現住建造物等放火・保護責任者遺棄致死などの凶悪事件が対象となってきます。
さて、裁判員はどのようにして選任されるのでしょうか。
▼まず、それぞれの市町村の選挙管理委員会が、満20歳以上の選挙権を有する市民の中から、次の年の裁判員候補予定者をくじ引きで決めます。
▼裁判員候補予定者から、さらにくじ引きを行って、事件ごとに裁判員候補者が選ばれます。
▼裁判員候補者となった市民は、指定された日時に裁判所に行きます。裁判所では、裁判長から、裁判員資格の確認、裁判員になれない理由の有無等について質問がなされ、裁判員が選任されます。
よくわかる裁判員制度シミュレーション
社員が裁判員に選ばれたらどうするか?
会社の規模に関わりなく、人事・労務担当者としては、就業規則の見直しや社内規定の整備など、準備しておくべき事項も少なくありません。そこで、裁判員制度の中でも、特に会社の人事・労務担当者が直面することが予想されるケースをQ&A方式で解説。あなたの会社は大丈夫?
●裁判員の労働時間・休日・休暇は? ●裁判員の賃金は? ●裁判員の出張・転勤・出向? ●会社側の守秘義務と人事管理・使用者の配慮? ●裁判員の災害補償? ●裁判員の就業規則? ●パートタイマーの取り扱い? ●派遣労働者の取り扱い? ●裁判員制度と労働組合?
さて、裁判員とはいったいどのようにして裁判に参加するのでしょう。裁判の流れをもとに裁判員の職務をご説明しましょう。
まず、裁判員になると、刑事裁判に出廷しなければなりません。出廷する日時や裁判所の場所は、あらかじめ通知されます。そして、法廷では、証人や被告人の証言を聞き、証拠を調べ、事実を認定して被告人が有罪か無罪かを判断します。また、有罪であるとしたら、どの程度の量刑にすべきかを決定するのが職務です。これは、裁判員一人が行うということではなく、他の裁判員のほか、裁判官が必ず同席し、裁判員と裁判官が合議の上で評決し、裁判長は、その評決の内容に従った判決を下し、これにより、裁判員の職務は終了します。
裁判員は、判断の公平さ、裁判で知り得た秘密の厳守が義務付けられていますから、その裁判に関係する利害者に買収されたり、秘密を漏らしたりすると、懲役刑や罰金刑となります。また、裁判員に選任されたのにもかかわらず、正当な理由がないまま裁判所に行かなかった場合には、10万円以下の科料に処せられることをよく認識しておく必要があるでしょう。
裁判員は、原則として辞退することはできませんが、例えば、70歳以上の人、学生、重い病気やけがをしている人、自分が処理しなければ著しい損害が出る恐れがある仕事を抱えている場合などは、裁判員に選任されることを辞退することができます。もしも裁判員に選ばれたら
その他にも、裁判員を辞退できる理由としては、妊娠中や出産直後の女性、配偶者や親族の治療で入院などに付き添う必要があるとき、妻や子の出産に立ち会う必要があるとき、遠くに住んでいて裁判所に行くことが難しいなどが正当な辞退理由としてあげられます。
また、政令では、「裁判員の職務で、精神上の重大な不利益が生ずる場合は裁判員を辞退することができる」旨が規定されました。
いずれにしても、裁判員を辞退する場合には、それぞれの理由により、例えば、仕事の重要性であったり、自ら行うことの必要性、著しい損害が生じる可能性などを考慮・検討し、裁判所が裁判員の辞退を認めるかどうかを判断することになります。
さて、企業は、社員が裁判員に選任された場合、どのような対応が求められるのでしょうか。企業は、従業員が裁判員に選任され、その職務を行うために会社を休んだり、労働時間が短縮したとしても、裁判員となったその従業員に不利益な扱いを行ってはいけません。
会社を休まれることで、少なからず会社の業務に支障が出る恐れがあることは否定できませんので、そのための対策は、企業ごとに講じておくべきでしょう。
企業は、従業員が裁判員に選任される可能性があること、裁判員に選任された従業員は裁判員の職務を遂行するために会社を休まなければならないこと、それが原則であることをよく認識しておきましょう。さぁ、あなたが裁判員です!
裁判員をシミュレート
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